7月下旬~9月上旬にかけて、工場や倉庫の作業環境を調査するため企業様を訪問させていただきました。

特に、今回は熱中症リスクを判断する数値として使用される「暑さ指数(WBGT)」の測定を実施。

また、測定を行いながら”厳重警戒”の指標の目安である「暑さ指数28℃」を超える値を示した際はアラームがなるよう設定し、工場内の注意喚起もあわせて行いました。

熱中症の要因となる指標は「気温」だけではありません。室内温度(部屋にいる場合)や風量、日差し、輻射熱、湿度などの様々な要因があります。暑さ指数はその中でも人体の熱収支に与える影響の大きい湿度、黒球温度(日射・輻射(ふくしゃ)など周辺の熱環境)、気温を元にしています。

この数値をもとに現場を管理されている方だけでなく現場レベルで熱中症リスクを下げる工夫(休憩頻度をあげる、休憩時間を長く取る、)ができればと考えています。まずは自社がどれくらいの数値なのかを把握することが大切です。暑さ指数を測定する機器を作業場ごとに設置するのもおすすめです。

測定時間は11時~15時。太陽の日射を最も影響を受ける時間帯です。同時に、熱中症のリスクが最も高まる時間帯ともいえます。

今回測定で訪問した企業様の測定結果を2社掲載します。どちら共に暑熱対策(空調設備、換気扇、遮熱・断熱など)を現在検討中でこれから改善見込みのある建物です。ご参考なれば幸いです。

測定を行った14時すぎの外気温は33℃。室内は外気温を超える温度を測定。暑さ指数も30℃を超え、熱中症リスクが非常に高くなっていました。建物の用途は倉庫でこの日作業を行っている方はいませんでした。

三重県 外気温33℃

屋根裏面の温度をサーモグラフィカメラにて測定。48℃ほどでした。


8月中旬。例年であれば徐々に気温が下がっていく期間ではありますが、今年は酷暑が続きました。

外気温34℃ですが、倉庫内は40℃ほど。2階建ての建物の2階にある倉庫で、窓は締切。屋根からの熱の影響を受け高温になっていると考えられます。

愛知県 外気温34℃

屋根裏面をサーモグラフィカメラにて測定。

60℃近い温度まで温められていました。屋根からの距離が近い分、階段をのぼりながら頭上からの熱を非常に感じていました。

測定に伺った企業様の中には、複数の工場を稼働されていたり倉庫を有しているところもありました。製品の特性上温度管理が必要な工場には空調設備を優先的に設置しているとのこと。暑さ指数も25℃前後を記録しており熱中症リスクも極めて低く快適な作業環境でした。

今年の夏を経験して思うのは、来年の夏も酷暑であるということ。熱中症ゼロのための労働環境改善は急務です!

熱中症リスクを下げるためには空調設備も必要ですし、空調設備を効率よく使用するための建物の遮熱・断熱工事(日射を建物に入れない対策)も必須です。

弊社としてお手伝いできるのは遮熱工事による建物の性能向上。来年の夏に向けて、これから涼しくなっていく今のうちに早期の対策をぜひご検討ください!

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